「キーワードカニバリゼーション」って、最近になってよく聞く言葉なんだけど?
私は長いことブログを運営していましたが、この「キーワードカニバリゼーション」という言葉は最近聞くようになりました。
それまでは、もちろん自身の記事同士でキーワードが競合してインデックスの評価が下がってしまうという認識は持っていたけど、一方の記事がある程度のランキングを取っていたので、あまり気にすることはありませんでした。
せっかく新しい言葉をインプットしたのだから、「キーワードカニバリゼーション」についてしっかりと勉強して対策もキチンと覚えておこうと思い、この記事でアウトプットしつつ身につけていこうと思います。
タイトルにもあるとおり、ブログにおける「カニバリゼーション(共倒れ)」は、キーワードを食い合ってお互い記事の評価を下げ合ってしまうことによって起こる様々な現象のことを言います。
具体的には、以下のような現象発生します。
- 検索結果に複数の記事が表示される
- 毎日違う記事が表示される
- 表示してほしい記事が表示されない
これらの現象を見つけたら、自分のブログサイトでキーワードカニバリゼーションが発生している可能性が考えられます。
これまでキーワードの競合が発生していたとしても、あまり気にせずいたので、これを機にしっかりと理解して対策も身につけていきましょう。
キーワードカニバリゼーションはなぜ起こる?
まず最初に、キーワードカニバリゼーション(共倒れ)はなぜ起こるのか?について詳しく見ていきましょう。
まず最初に、Googleが公式な見解として発表している内容を紹介します。
単一のページに複数の URL でアクセスできる場合や、異なるページのコンテンツが類似している場合(たとえば、あるページにモバイル版と PC 版両方のURLがある場合)、Google はそのようなページを同じページの重複版と見なします。Google は、こうした URL のうちの 1 つを「正規」版として選択してクロールします。その他の URL はすべて「重複」した URL と見なし、クロールの頻度を減らします。
どの URL が正規版かを Google に明示的に伝えなかった場合、Google によって正規 URL が選択されるか、またはいずれの URL も同等の重要性を持つと見なされます。その結果、「正規 URL を選択すべき理由」で示しているような望ましくない動作が発生することがあります。
Google検索セントラル「重複しているページの URL の正規化と正規タグの利用」より
つまり、類似しているコンテンツは「重複版」と見なしクロール頻度を減らされてしまうことになります。
その際、どのページが正規版の扱いになるのか明示されていない場合は、望ましくない動作が発生する可能性があるということです。
キーワードカニバリゼーションは、重複や類似するコンテンツが原因で発生するんだね。
カニバリが発生するメカニズム
せっかく時間をかけて書いた記事の評価が重複してしまい、カニバリが発生してしまうとページの評価だけでなく、結果としてサイト全体の評価に影響してしまう可能性もあります。
カニバリは、重複や類似したコンテンツが原因で発生することがわかりました。
では、どうして重複したり類似したりしてしまうのでしょうか?
カニバリが発生するメカニズムを理解して、それが発生しないためにはどんな対策が必要なのか一緒に学んでいきましょう。
同じページに複数のURLでアクセスできてしまう
例えば、「https://www.hogexxxxhoge.com」と「https://hogexxxxhoge.com」のどちらでもアクセスできてしまう場合は、それぞれ別々のページとして解釈され、重複コンテンツと見なされてしまいます。
また、PC用URLとスマホ用URLで同じコンテンツがあった場合も同様に重複コンテンツとして扱われてしまいます。
似通ったタイトルやキーワードで作成された記事
例えば、
「ブログ 初心者 書き方」
「ブログ 初心者 稼ぎ方」
「ブログ 初心者 続け方」
というキーワードを設定した記事がそれぞれあったとして、いずれも「ブログ 初心者」を内包したコンテンツになっています。
その場合、Googleは「ブログ 初心者」というキーワードに対してコンテンツが重複していると解釈する可能性があります。
キーワードカニバリゼーションでどんな問題が起きるの?
実際にキーワードカニバリゼーションが発生してしまった場合、どんな問題が発生するのでしょうか?
そのいくつかを紹介していきます。
誤解の無いようにあらかじめ言っておきますが、これらの問題は決してポリシー違反のようなペナルティではなく、あくまでもGoogleの仕様として解釈しておきたいところです。
同一キーワードに複数のページがインデックスされる
これは、必ずしも不利になるとは限らない場合もあるので、全てそうだと言い切れない部分もあるのですが、一般的には似通ったコンテンツが並んでいると、検索したユーザーはどれが必要な情報なのか混乱する可能性が高くなります。
これはユーザーだけでなく、Googleのクローラーにとっても混乱を引き起こす原因になってしまいます。
毎日違う記事が表示されてしまう
これはGoogleのクローラーが巡回する度に、評価が変わってしまうことで発生します。
前述にもあるとおり、クローラーが正常に評価できずに混乱してしまっているということになります。
この場合、アドセンスやアフィリエイトでの集客力が不安定になってしまうことにつながりますね。
意図した記事が表示されない
例えば、「ブログ 初心者 書き方」で狙った記事Aが表示されずに、記事Bが検索結果に表示されてしまったという場合です。
これはGoogleが「このキーワードに対してよりふさわしいのは記事Bである」と評価してしまったということです。
これでは、ブログで稼ごうとしてもアクセス数を増やせないね。
キーワードカニバリゼーションの対策について
キーワードカニバリゼーションが発生してしまった場合どうすれば良いのでしょう?
そもそも自分のブログサイトでそれが発生しているのかどうか、どうやって調べたら良いでしょうか?
ここでは、確認方法と対処方法について紹介していきます。
キーワードカニバリゼーションの見つけ方
色々なツールを使ってキーワードカニバリゼーションを見つける方法はいくつもあるのですが、ここでは一番手軽な方法として、Google Search Consoleを使った手順を紹介します。
1. 検索パフォーマンスを表示する
Search Consoleの画面を開いて、「検索パフォーマンス」項目を選択します。
複数サイトを管理している場合は、先に確認したいサイトに切り替えておきましょう。
2. 調べたいクエリ(キーワード)を選択する
クエリの欄から、調べたいキーワードを選んでクリックします。
そうすると、そのクエリだけが選ばれた状態に切り替わります。
3. ページに切り替える
クエリが選択された状態で表示されていますが、ページをクリックして画面を切り替えます。
ページの欄に複数のURLが記載されていたら、キーワードカニバリゼーションが発生しているということになります。
片方(いずれか一つ)のURLにだけ、クリック数や表示件数が集中している場合は、特に意識しなくても大丈夫です。
以下の例では、下2つのページは一番上のページに対して影響を与えていないので、特に対処しなくても問題ありません。
キーワードカニバリゼーションの対策方法
上記のような場合は対処不要ですが、同じようなクリック数だったり、表示回数だった場合は、ページの評価に影響を及ぼす可能性があるので早急に対処が必要です。
ここでは、いくつか対処方法を紹介していきます。
1. 評価を上げたいページ以外を下書きにする
キーワードカニバリゼーションが発生している場合、それぞれのページに対してGoogleがどちらを優先したら良いか判断できないことがあります。
それを回避させる一番手っ取り早い方法は、生かすページ1つだけ残しそれ以外をいったん下書きに戻してしまうというやり方があります。
そうすることで、キーワードカニバリゼーションが発生しているページのうち1つだけがインデックスされ、下書きにしたページはインデックスから除外されます。
これは私が一番手軽に対応でき、しかも確実に効果が現れるのでよく使っている方法です。
2. canonicalを設定する
WEBサイトを構築する際には、「URLの正規化」が重要になってきます。
「URLの正規化」とは、重複や類似するページが発生した場合、どのページを優先させるかを明示させることです。
例えば、キーワードカニバリゼーションが発生したページが3件見つかった場合、3ページともにcanonicalの記述を追記してあげます。
<link rel="canonical" href="優先させたいページのURL" />
3ページとも上記のコードをheadタグ内に設置します。
href属性の中身には、同じURLを記述します。
例えば、
https://hogexxxhoge.com/miso/
https://hogexxxhoge.com/shio/
https://hogexxxhoge.com/shoyu/
というページでカニバリが発生していたとして、misoのページを優先したい場合は、この3ページ全てに、
<link rel="canonical" href="https://hogexxxhoge.com/miso/" />
と記述してあげましょう。
この対処方法は、他の対処方法と並行して同時に行った方が良いです。
3. 「301リダイレクト」を適用する
優先したいページとそれ以外のページが競合してしまった場合、優先する必要のないページ、インデックスされなくても問題ないページであれば、「301リダイレクト」を実施して優先したいページに飛ばすという方法です。
「301リダイレクト」とは、Aというページにアクセスした場合、恒久的にBというページに自動的に移動させる方法です。
WordPressには、「Redirection」という名前の無料プラグインがあるので、気になる方は調べてみてください。
4. ひとつのページに統合する
キーワードカニバリゼーションが発生した複数ページの内容が重複していたり、類似している場合は、思い切ってひとつのページにまとめてしまうという方法もあります。
わざわざ複数に分けている理由があれば別ですが、まとめてしまっても問題ないようなら1ページに統合してしまった方が、ページボリュームも内容も充実したものになるかもしれません。
5. リライトしてキーワードをずらす
リダイレクトしたり、統合してしまうと、優先したいページ以外はインデックスされなくなったり、ページそのものが無くなってしまいます。
競合しているページ全てを生かしておきたい場合もあると思います。
そんな場合は、リライトしてキーワードをずらす必要があります。
例えば、「ブログ 初心者 書き方」でカニバリが発生してしまった場合、このキーワードを生かしたいページと競合しないように、例えば「初心者」というキーワードを削った内容にリライトして競合しないように調整していきます。
まとめ
それでは今回もまとめに入っていきます。
「キーワードカニバリゼーション」とは、ブログ記事の内容が重複していたり、類似していたりすると、同じキーワードで競合してしまい、お互いのページ評価を下げてしまう現象のことです。
キーワードカニバリゼーションが発生するとどうなってしまうのか?
- 検索結果に複数の記事が表示される
- 毎日違う記事が表示される
- 表示してほしい記事が表示されない
という現象が起こってしまう場合があります。
なぜそんなことが起きてしまうのかというと、
- 同じページに別々のURLでアクセスできてしまう
- 似通ったタイトルやキーワードで作成されている
- その結果、Googleがどちらを優先させるべきか判断できない
ということで、ページの評価が下げられてしまったり、評価が不安定になってしまうことがあります。
では、キーワードカニバリゼーションが発生した場合の対処方法はというと、
- 評価を上げたいページ以外を下書きにする
- canonicalを設定する
- 301リダイレクトを適用する
- ひとつのページに統合する
- リライトしてキーワードをずらす
という方法があります。
せっかく渾身の記事を書いたのに、全然アクセスが伸びないと思ったら、キーワードカニバリゼーションが発生している可能性も頭の片隅に入れておいてくださいね。